第14回 暗号及び情報セキュリティと数学の相関ワークショップ
(CRISMATH 2023)


(最終更新:2023年12月27日)
日程 2023年12月26日(火)午後~12月27日(水)午前
会場・形式 対面とオンライン(Zoom)のハイブリッド形式
現地会場:九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 D棟 4階IMIオーディトリアム(W1-D-413)
*オンライン参加用の情報は参加登録後にお知らせします。
参加登録(参加費無料) オンラインでの参加をご希望の方は、2023年12月24日(日)までに参加登録フォームよりご登録ください。ご登録済の方に、12月25日(月)にオンライン参加用の情報をお送りします。
現地参加をご希望の方も、上記フォームより参加登録のご協力をお願いします。

開催趣旨

近年、暗号をはじめとする情報セキュリティ分野においては、従来よりも専門性の高い数学の知見に基づく様々な研究が進められています。一方で、数学分野においては、これまで以上に周辺分野との研究連携を推進する機運が高まっています。
本研究集会では、これら二つの分野の研究者・学生の方々が研究的交流を行う場を提供し、両分野にわたる研究連携を推進することを目的として、両分野に関連するいくつかの研究トピックの紹介を行います。

プログラム(敬称略:全講演が招待講演です)

12月26日(火)

13:00 - 14:30
土田 光(日本電気株式会社)
「トーラス上の閾値完全準同型暗号の構成と実装評価」
14:40 - 17:40(*途中休憩あり)
チュートリアル講演:坂井 祐介(産業技術総合研究所)
「ゼロ知識証明入門」

12月27日(水)

9:30 - 11:00
佐竹 翔平(熊本大学)
「左右ケイリー複体上の暗号学的ハッシュ関数とその数理的側面」
11:10 - 12:40
須賀 祐治(株式会社インターネットイニシアティブ)
「Johnson association schemesのアクセス構造を持つカードプロトコルの実装とdifference setsとの関連について」

講演概要(講演順、敬称略:全講演が招待講演です)

チュートリアル講演

坂井 祐介(産業技術総合研究所)
「ゼロ知識証明入門」
ゼロ知識証明とは、互いに信頼し合わない二人の参加者(証明者と検証者と呼ばれる)が、対話を通じて、ある命題が真であるかどうかを検証する暗号要素技術である。この時、悪意のある検証者であっても命題が真であること以上の知識は一切得ることはできず、悪意のある証明者であっても真でない命題を検証者に納得させることはできないことが保証される。本チュートリアル講演では、ゼロ知識証明の定義、典型的な構成法、非対話ゼロ知識証明の定義、発展的な話題として通信量が命題のサイズよりも非常に小さい非対話ゼロ知識証明であるzk-SNARKについて述べる。

一般講演

土田 光(日本電気株式会社)
「トーラス上の閾値完全準同型暗号の構成と実装評価」
完全準同型暗号(Fully Homomorphic Encryption, FHE)とは,暗号文同士の演算により,暗号文を復号せずに平文に対する加乗算を任意の回数,計算可能な暗号方式である.また,復号鍵を分散したまま復元することなく,暗号化鍵の生成や暗号文の復号が可能なFHEを,閾値完全準同型暗号(Threshold FHE, ThFHE)という.近年,トーラス上のFHEであるCGGI方式が注目を集めているが,CGGIに基づくThFHEの構成は自明ではない.本講演では,我々がESORICS 2023にて提案したCGGIに基づくThFHEの構成と実装評価について説明する.
佐竹 翔平(熊本大学)
「左右ケイリー複体上の暗号学的ハッシュ関数とその数理的側面」
暗号学的ハッシュ関数 (以下, ハッシュ関数)は暗号理論における基盤をなす対象の1つであり, 電子署名などへの重要な応用が知られている. 一方で, ハッシュ関数の構成研究は, 証明可能安全性などの観点から, 整数論, 有限群論, 組合せ論などの数学とも密に連携しながら行われてきた. その代表例の一つが有限群上のケイリーグラフのウォークを用いたケイリーハッシュ関数であり, その安全性は群のワード問題の計算困難性に帰着される. さらに, 台となるケイリーグラフがエクスパンダーであるならば, ランダムな入力に対するハッシュ値の分布の一様性が保証される点も暗号理論では重要であり, 数学的にも興味深い.
本講演では, これらの背景を概説したのち, ケイリーグラフの一種の「2次元化」にあたる左右ケイリー複体をもとに新たなハッシュ関数である「左右ケイリーハッシュ関数」を構成する. さらに, 安全性が帰着される新たな群のワード問題の定式化を通してオリジナルのケイリーハッシュ関数の安全性との比較検証も行った後, 特殊線形群を用いたインスタンスなどについても紹介したい. 本講演は, 相川 勇輔 氏 (東京大学), Hyungrok Jo 氏 (横浜国立大学)との共同研究に基づく.
須賀 祐治(株式会社インターネットイニシアティブ)
「Johnson association schemesのアクセス構造を持つカードプロトコルの実装とdifference setsとの関連について」

実行委員(五十音順)等