黄金分割とフィボナッチ数列


皆さんは黄金分割というのをご存知でしょうか?これは下図のように,線分 AB を AB : AC = AC : BC となるように分割することをいいます.そしてこのとき,T = AB/AC のことを黄金比と呼びます.2次方程式の計算から,T = 1.61803398... となることが容易に確かめられます.

この黄金比はなかなかきれいな数で,自然界や芸術作品のなかによく現れると言われています.

一方,皆さんはフィボナッチ数列というのをご存知でしょうか?これは a_0 = 1, a_1 = 1, a_n = a_{n-1} + a_{n-2} (n > 1) で定義される数列で,この数列も自然界の現象のなかによく現れると言われています.(ちなみにこの数列は1202年にイタリアのフィボナッチ(下記の注意 参照)が考え出したものです.)

実はフィボナッチ数列と黄金分割の間には密接な関係があります.フィボナッチ数列の相隣り合う項の比からなる数列 {a_{n+1}/a_n} を考えると,1/1, 2/1, 3/2, 5/3, 8/5, ... となって,これは黄金比に収束するのです.なぜでしょう?興味のある人は是非考えてみて下さい.
 

A        C      B
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AB : AC = AC : BC


注意:正確には,フィボナッチ (1170頃−1250) は,ピサのレオナルド (Leonardo da Pisa) あるいはボナッチ家の一員だったこともあって,「ボナッチの息子 (filio Bonacci)」と呼ばれていました.それが短縮されてフィボナッチ (Fibonacci) と呼ばれるようになったそうです.これについては2003年9月に,北海道浜頓別高校3年の浅野浩平君に指摘を受けました.この場を借りて感謝致します.


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