「ピタゴラスの定理と宇宙のかたち」より



 

「ナイル河畔のシエネ(アスワン)において,夏至の正午になると太陽の光が井戸の底まで届くという.同じ時刻にアレキサンドリアでは地面に立てた棒 に影ができ,棒と太陽光線のなす角が7.2度であることが計測された.一方,シエネとアレキサンドリアの距離は,ラクダの隊商がその間を旅するのにかかる 日数と旅行速度から925kmと見積もった.もしシエネが北回帰線上にあり,しかもアレキサンドリアとシエネが同一子午線上にあるとすれば,子午線の全長 はいくらか?」

エジプトの科学者エラトステネス(紀元前 275-194)は上の事実に基づいて子午線の全長を計算しました.皆さんも計算してみてください.答えは実際のものと16%しか違わない値になるそうです.

(出典:砂田利一「ピタゴラスの定理と宇宙のかたち」
数学通信,第4巻第3号,1999年11月)


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